上海外為市場=人民元4日ぶり下落、企業のドル需要で

[上海 29日 ロイター] - 上海外国為替市場の人民元相場は、対ドルで4営業日ぶりに下落。企業がドルに押し目買いを入れていることが背景。
中国人民銀行(中央銀行)は24日、人民元の基準値(中間値)の算出で、8月に入り「カウンターシクリカル(反循環的)」な調節要因の再導入を開始したと発表。これを受けて今週は、人民元の急落には歯止めがかかっていた。
OANDAのアジア太平洋地域トレーディング責任者、スティーブン・イネス氏は「市場は『カウンターシクリカル』な調整要因の再導入を受け、現実的な範囲で下限を探ろうとしている。米連邦準備理事会(FRB)は利上げを続ける見込みで、これは最終的にドル押し上げにつながるだろう」と述べた。
人民銀はきょうの基準値を1ドル=6.8072元と、前日の基準値(6.8052元)に比べて20ポイントの元安水準に設定した。
スポット市場の人民元は6.8090元で始まり、中盤時点では6.8138元と、前営業日終値に比べ108ポイントの元安、基準値比で0.10%の元安で取引された。
市場関係者は、企業顧客のドル買いがスポット市場の元を押し下げたとの見方を示した。また、一部の中国国有大手銀行による小規模なドル売りが見られたと指摘。ただ、これが自己勘定取引なのか、人民元の急落を防ぐため中銀の要請を受けた取引なのかは分からないとした。
オフショア市場の人民元は6.8055元と、オンショアの水準に比べて0.12%の元高。
オフショアの1年物ノンデリバラブル・フォワード(NDF)は6.8533元と、基準値に比べ0.67%の元安で取引されている。

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