トランプ氏、GM補助金全額カット検討 中国での生産継続を批判

トランプ氏、GM補助金全額カット検討 中国での生産継続を批判
 11月27日、トランプ米大統領は、自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)が北米事業の再編策を発表したことを受け、政府としてGMへの補助金全額カットを検討していると表明した。写真はGMのロゴ。2015年10月にミシガン州ウォーレンの同社工場で撮影(2018年 ロイター/Rebecca Cook)
[ワシントン 27日 ロイター] - トランプ米大統領は27日、自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)が北米事業の再編策を発表したことを受け、政府としてGMへの補助金全額カットを検討していると表明した。
トランプ氏はツイッターで、GMがメキシコや中国の工場を閉鎖しなかったと批判。「米国はGMを救ったのに、その返礼がこれとは!われわれは今、電気自動車を含めGMへの補助金全額カットを検討している」と述べた。
現行の規定ではGMの電気自動車を購入した消費者は7500ドルの税控除を受けられる。こうした税控除をどのように制限できるのかや、トランプ氏が他の補助金を念頭に置いているのかは不明だ。
またGMがメキシコや中国の工場閉鎖を計画していないことも批判。「GMは数年前に中国(とメキシコ)で工場を建設し大きな賭けに出た。賭けが実を結ぶと思うな。私は米国の労働者を守る!」と投稿した。
トランプ氏のツイートを受けてGMの株価は下落し、終盤の取引で2.6%値下がりした。
GMは声明を出し、米国内の「強固な製造業維持に専心」すると説明した。今回の再編策で「長期的な成功に向けて自社の体制を整え、米国内雇用を維持、拡大する」とし、影響が生じる工場の多くの労働者が自社の他工場に移ることも可能だとした。
カドロー米国家経済会議(NEC)委員長は、政権がこれまで燃費基準などの規制分野でGMを支援してきたとの認識を示した。記者団に「支援に向けここまでしてきたのに、ある種裏切られたようにみえることが失望を招いたのだろう」と語った。
ホワイトハウスのサンダース報道官は記者団に、トランプ氏が複数の選択肢を検討していると明らかにした。
報道官は「大統領は米企業に海外ではなく米国内で自動車を生産するよう望んでおり、GMが引き続きここで製造してくれると期待している」とした。
GMは米国以外にカナダのオンタリオ州にあるオシャワ工場の稼動停止も計画している。同国の労組UNIFORのジェリー・ディアス代表は全米自動車労組(UAW)の幹部と28日に会談し、米加両国のGM工場で「大規模な行動」を起こす可能性について協議すると明らかにした。
またGMがメキシコで生産している自動車に40%の関税を課すことを提案した。
*内容を追加しました。

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