主要ハイテク株が軒並み大幅安、上昇局面の終わりか

主要ハイテク株が軒並み大幅安、上昇局面の終わりか
 11月29日、米国株式市場で主要ハイテク株が軒並み下落し、年初来の記録的な上昇が終わりを迎えるのか、あるいは一服にすぎないのか、見方が分かれている。28日撮影(2017年 ロイター/Brendan McDermid)
[サンフランシスコ 29日 ロイター] - 29日の米国株式市場で主要ハイテク株が軒並み下落し、年初来の記録的な上昇が終わりを迎えるのか、あるいは一服にすぎないのか、見方が分かれている。
28日に最高値を付けたばかりのS&P情報技術指数<.SPLRCT>が、この日は2.6%安と、過去5カ月余りで最も大幅な下落率を記録。フィラデルフィア半導体指数<.SOX>も4.4%安となった。
ハイテク株は今年、売り込まれる局面が数回あったが、いずれも短期的な下げで、その後は最高値を更新する展開となった。29日の下げは、ハイテク株の上昇が終わりを迎える可能性を強める。
ブライト・トレーディングのマーケット担当責任者、デニス・ディック氏は「循環物色だ。ハイテク株には非常に長い間、度々資金が流入した。そうした流れが反転している」と述べた。
S&P500の年初来の上昇を支えてきた主要ハイテク5銘柄「FAANG」は29日の取引でいずれも下落し、フェイスブックは4%安、アップルは2.1%安、アマゾン・ドット・コムは2.7%安。ネットフリックスは5.5%下落し、グーグル親会社のアルファベットも2.4%下げた。
一方、銀行株のほか、今年アンダーパフォームしていた通信株などが買われた。
それでもS&P技術情報指数は年初来36%前後上昇し、S&P500の時価総額24兆ドルの4分の1を占めている。
半導体指数も、堅調な需要や業界再編を背景に年初来41%上昇。こうした上昇を受け、ハイテクセクターの予想株価収益率は19倍となっている。S&P500全体では18倍。
平均を上回る業績の伸びを期待し、投資家は割高でも急成長を遂げ市場シェアを伸ばしている大型ハイテク株を買ってきた。
ビアンコ・リサーチのプレジデント、ジム・ビアンコ氏は「これらのハイテク株が上昇しているのは、従来の企業が適応に苦慮している新しいビジネスモデルを採用しているためだ」と指摘し、自身の顧客には29日の下落を利用してハイテク株にさらに買いを入れるよう推奨していると述べた。

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab