来週のドル/円は一段の下落に警戒、株価安定するかも焦点

来週のドル/円は一段の下落に警戒、株価安定するかも焦点
 11月17日、来週の外為市場で、ドル/円は一段の下落が警戒される。日本株の調整が続き、ロシアゲート問題や北朝鮮リスクがクローズアップされれば、111円台に下落する可能性がある。写真は都内で2010年9月撮影(2017年 ロイター/Yuriko Nakao)
[東京 17日 ロイター] - 来週の外為市場で、ドル/円は一段の下落が警戒される。日本株の調整が続き、ロシアゲート問題や北朝鮮リスクがクローズアップされれば、111円台に下落する可能性がある。一方、株価が底堅く推移し、米国の税制改革法案の審議に進展がみられれば、114円近くまでの上昇もあり得るという。
予想レンジはドルが111.50―114.00円。ユーロが1.1700―1.1950ドル。
17日は、日経平均株価が前場に前日比400円超の上昇となった後、急速に上げ幅を縮小。一時はマイナス圏に沈む場面もあった。「このところ日経平均株価の値動きが不安定で、投資家心理がリスク選好になりにくい」(外為アナリスト)との指摘が出ていた。
最近テーマから遠ざかっていたロシアゲート問題について、関連報道が出たことで、久々に市場の関心を集めている。モラー特別検察官の捜査チームがトランプ大統領の選挙陣営に対し、ロシア関連の文書の提出を命じた、と米ウォールストリート・ジャーナルが伝えた。[nL3N1NN1S6]来週、トランプ政権に不利な続報が出てくれば、ドル売り要因となりそうだ。
一方、米ホワイトハウスは、北朝鮮を「テロ支援国家」に再指定するかどうか、来週前半にもトランプ大統領が判断するとしている。再指定となれば北朝鮮の反発は必至とみられ、緊張感の高まりを受けてリスク回避の円買いが強まる可能性がある。
下がったところでは日本勢のドル買いがある程度の支えとなりそうだが、海外時間にドル売りの流れが強まれば「円は111円台、ユーロは1.19ドル台になってもおかしくはない」(国内ブローカー)という。
来週23日は日本が勤労感謝の日、米国が感謝祭で休日。早めに利益確定やポジション調整が出る可能性も指摘されている。
米国の税制改革法案の動向も引き続き市場の関心事項だ。米議会下院は16日、税制改革法案を賛成多数で可決。米株式とドルが上昇した。法案の審議は今後上院に移るが、共和党の優位が微妙な上院での法案通過には、連邦予算の赤字、ヘルスケア、税制優遇の分配などを巡る懸念があり、ハードルの高さも指摘されている。
米国ではCB景気先行指数、中古住宅販売件数、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(10月31─11月1日開催分)などが発表される。内容を受けた米株式や米金利の動向にも注目。

為替マーケットチーム

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