南極の海氷、過去最低レベルに 海洋温度上昇に懸念=WMO

南極の海氷、過去最低レベルに 海洋温度上昇に懸念=WMO
 世界気象機関(WMO)が10日、南極の海氷レベルが6月に過去最低に低下したと報告した。気候専門家らは懸念を示している。南極で2020年2月撮影(2023年 ロイター/Ueslei Marcelino)
[ジュネーブ 10日 ロイター] - 世界気象機関(WMO)が10日、南極の海氷レベルが6月に過去最低に低下したと報告した。気候専門家らは懸念を示している。
報告によると、6月の海氷レベルは平均を17%下回り、人工衛星による観測開始以来最低となった。
世界気候研究計画を統括するマイケル・スパロー氏は「北極圏のこうした大きな低下は見慣れているが、南極海にはなかった。極めて大幅な低下だ」と、ジュネーブで記者団に述べた。
またWMOは、5月と6月は世界の海面温度がこの時期としては過去最高だったと指摘。「海面にとどまらず、海洋全体の温度が上がり、吸収されたエネルギーが何百年も残留することになる。特に、北大西洋で異例の上昇を示しており、警鐘が強く鳴っている」とした。
さらに、最近発生したエルニーニョ現象が陸海双方の温度上昇を招き、一段の海洋熱波と極端な高温につながることが予想されるとした。

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab