ユーロ圏の予算複雑化、エネルギー支援策延長なら=財務相会合

ユーロ圏の予算複雑化、エネルギー支援策延長なら=財務相会合
ユーロ圏財務相は7日、エネルギー価格の高騰に対する支援策を来春まで延長することが必要となれば、2023年の予算計画が複雑化する可能性があると発表した。2014年1月撮影(2022年 ロイター/Regis Duvignau)
[ブリュッセル 7日 ロイター] - ユーロ圏財務相は7日、エネルギー価格の高騰に対する支援策を来春まで延長することが必要となれば、2023年の予算計画が複雑化する可能性があると発表した。すでに高水準にあるインフレ率に影響を与えかねないという。
エネルギー支援策については、2023年の予算を巡り詳細に協議する12月初旬に再度話し合う予定だが、こうした支援策は一時的かつ的を絞ったものであるべきで、需要を刺激するものではないと改めて強調した。
ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)のドナフー議長(アイルランド財務相)は記者会見で「来年の予算見通しに対する全体的なポリシーミックスの重要な問題は支援措置が春以降に延長された場合だ」と指摘。「これは来期の予算政策にとって非常に重要な分岐点になる」と語った。
また「財務相らは、インフレを抑制しつつ脆弱な家計とユーロ圏の国際競争力の両方を支えるというトレードオフの関係に気づいている」とした。
欧州連合(EU)欧州委員会のジェンティローニ委員(経済担当)は「支援措置の大部分、加盟国がこれまでに採用した約70%は的が絞られておらず、全人口あるいは人口の非常に大きな割合を対象にしている」と指摘。「対象を絞ることが政治的にも技術的にも必ずしも容易でないことはもちろん承知している。非常に迅速に対応しなければならない場合はなおさらだ」とした。
ただ、当局者によると、これに対応するために各国政府は消費者が使用する一定量のエネルギーまで支援措置の対象とし、それを超える消費については市場価格で取引するという選択肢が検討されているという。

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