ロシア軍、南部ヘルソンで家屋占領し市街戦準備 ウクライナ主張

ロシア軍、南部ヘルソンで家屋占領し市街戦準備 ウクライナが主張
 ウクライナ軍は11月7日、南部ヘルソン州の州都ヘルソンでロシア軍が民間人が退避して空き家となった家屋を占領し、市街戦の準備をしていると主張した。同州で7月24日撮影(2022年 ロイター/Alexander Ermochenko)
[キーウ(キエフ) 7日 ロイター] - ウクライナ軍は7日、南部ヘルソン州の州都ヘルソンでロシア軍が民間人が退避して空き家となった家屋を占領し、市街戦の準備をしていると主張した。ロシアはウクライナ軍の攻勢を理由にヘルソンの住民らに退避を勧告してきた。
ヘルソン州はロシアが一方的に併合を宣言した東・南部4州の1つ。ロシア、ウクライナの双方によると、過去48時間で周辺への電力と水道の供給が途絶えたため、一帯が暗くて寒い状態となっている。
親ロシア派当局は停電はウクライナによる「破壊工作」が原因だとし、ウクライナ側はロシアが1.5キロメートルにわたる送電線を破壊したと主張。ウクライナ軍が同地域を奪還するまでは電力は恐らく復旧しないとの見方も示した。
ロシア軍については、民間人の家屋を占領して民間人の服を着用、「屋内で市街戦に向け態勢を強化している」と指摘。住民やインフラ施設に対して略奪や窃盗を働き、機器や食料、車をロシアに運んでいるとした。
ロシアは民間人虐待を否定している。
一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は7日、東部ドネツク地域はなお戦闘の中心地になっており、毎日数百人のロシア兵が戦死していると述べた。
<対話巡り思惑交錯>
ウクライナで戦闘が続く中、米ホワイトハウスのジャンピエール報道官は7日、政府はロシアとリスク軽減に関する高官レベルの協議を実施する権利を留保していると述べた。サリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)がロシア高官と非公開の協議を行ったとの米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)報道を直接否定しなかった。
ウクライナ大統領府のポドリャク顧問は7日、ウクライナがロシアとの交渉を拒否したことはなく、ロシアの将来の指導者と対話する用意はあるが、プーチン大統領とは対話しないと述べた。
米紙ワシントン・ポストは先に、米政府はウクライナ政府に対し、ロシアとの交渉に前向きな姿勢を見せるよう非公式に働きかけていると報じた。
プーチン氏は7日、新たに招集された5万人の予備兵が既に戦闘部隊で戦っていると述べた。

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