国連事務総長「協力か滅亡か」、米中に特別な責任 COP27

国連事務総長「協力か滅亡か」、米中に特別な責任 COP27
エジプトで開幕した第27回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP27)で7日、グテレス国連事務総長が演説し、地球温暖化対策で人類は「協力するか滅びるかの選択を迫られている」と警告すると同時に、世界の二大経済大国である米中が問題解決に取り組む特別な責任を負っていると指摘した。エジプトで撮影(2022年 ロイター/Mohamed Abd El Ghany)
[シャルムエルシェイク(エジプト) 7日 ロイター] - エジプトで開幕した第27回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP27)で7日、グテレス国連事務総長が演説し、地球温暖化対策で人類は「協力するか滅びるかの選択を迫られている」と警告すると同時に、世界の二大経済大国である米中が問題解決に取り組む特別な責任を負っていると指摘した。
2週間の日程で始まった今回の会議は、ロシアによるウクライナ侵攻、インフレ高進、エネルギー不足に直面する中で開催。グテレス事務総長は、先進国と最貧国が化石燃料脱却を加速するための協定を締結し、最貧国が温暖化ガス排出量を削減し、すでに起きている気候変動に対処できるようにするための資金を提供するよう呼びかけ、「米国と中国という二大経済大国にはこうした協定の実現に向けた取り組みに参画する特別な責任がある」と述べた。
その上で「温暖化ガスの排出量は増加し続け、地球の気温は上昇し続けており、気候変動で引き起こされる混乱が不可逆的になる時点に急速に近づいている」と指摘。「われわれは『気候変動地獄』への高速道路をアクセルを踏んだまま走っている」と警告した。
アル・ゴア元米副大統領も演説し、先進国によるアフリカのガス資源追求について「化石燃料における植民地主義」と非難した。
ただ、グテレス事務総長の演説の直後に登壇したアラブ首長国連邦(UAE)のムハンマド大統領は、需要が存在する限り化石燃料の生産を継続すると表明。「UAEは責任あるエネルギー供給国であり、世界が石油と天然ガスに対する世界的な需要がある限り役割を果たし続ける」と述べた。
UAEは石油輸出国機構(OPEC)加盟国。来年の国連気候変動枠組み条約締約国会議はUAEで開かれる。

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