台湾総統「一国二制度」は実現不可能、香港情勢が明示と主張

台湾総統「一国二制度」は実現不可能、香港情勢が明示と主張
 1月1日、11日の台湾総統選で再選を目指す蔡英文総統(写真)は新年の演説で、統一を目指して中国が提案する「一国二制度」は香港で失敗したと述べ、受け入れを拒否する考えを示した。写真は昨年12月、台北市で撮影(2019年 ロイター/Ann Wang)
[台北 1日 ロイター] - 台湾の蔡英文総統は1日、統一を目指して中国が提案する「一国二制度」は香港で失敗したと述べ、受け入れを拒否する考えを示した。
1月11日の総統選で再選を目指す蔡氏は新年の演説で、台湾の主権を守ると強調。中国が圧力を強める中、自由と民主主義を保障する仕組みを築くと語った。
蔡総統は「香港の人々は『一国二制度』が明らかに実現不可能であることを示した」とした上で、「香港の情勢は悪化し続けている。政府の権力乱用で『一国二制度』への信頼は傷ついた」と述べた。
台湾立法院(議会)は12月31日、中国から政治的影響が及ぶことを阻止するための「反浸透法案」を可決した。中台関係のさらなる緊張が予想される。
蔡総統は、新法は台湾の民主主義を守るためのものと強調。中台の経済関係が損なわれるとの懸念が広がる中で、海峡をはさんだ交流は影響を受けないと述べた。
中国政府は、蔡総統と与党・民主進歩党(民進党)が台湾の独立を推し進めようとしていると警戒。そうした動きがあれば戦争になるとけん制している。
蔡総統は、中国との関係を一方的に変えることはしないと否定している。

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