米司法長官が証言、ロと結託は「うそ」 大統領との会話明かさず

米司法長官が証言、ロシアと結託との憶測は「忌まわしい嘘」
 6月13日、セッションズ米司法長官(写真)が米上院情報委員会の公聴会で証言し、ロシアによる米大統領選介入疑惑で自身がロシア当局と結託していたとの憶測は「最低で忌まわしい嘘」と主張した。(2017年 ロイター/Jonathan Ernst)
[ワシントン 13日 ロイター] - セッションズ米司法長官が13日、米上院情報委員会の公聴会で証言し、ロシアによる米大統領選介入疑惑で自身がロシア当局と結託していたとの憶測は「最低で忌まわしいうそ」と主張した。
セッションズ長官は「米国の選挙および選挙活動への干渉を巡り、ロシア当局者や外国政府当局者といかなる会合も会話も持ったことはない」と釈明。「私がロシア政府と共謀していた、もしくは私が35年間超奉仕してきた米国に損害を与える、または民主的手続きの整合性に傷をつけるようなロシア政府との結託を認識していたとの憶測は最低で忌まわしい嘘だ」と言明した。
上院情報委のバー委員長はセッションズ長官に対し、公聴会が「報道されている多くの疑惑をめぐり事実を明確にする」機会であると念を押したうえで、ロシア当局者らとの会合やトランプ陣営とロシア当局者のつながりを巡る捜査から手を引いた理由、コミー前連邦捜査局(FBI)長官解任における役割などについて質問した。
セッションズ長官は3月、トランプ政権発足前にキスリャク駐米ロシア大使と2回接触していたことを認めた。司法長官の指名承認公聴会では明らかにしていなかった。
同大使と昨年ワシントン市内のホテルで3回目の会合を持ったとの報道に関する質問に対しては、セッションズ長官は3回目の会合も会話についても記憶になく、トランプ陣営のアドバイザーとしてロシア当局者と接触したことはないと語った。
また、証言に先立ち、ロシアとトランプ陣営の癒着疑惑捜査を指揮するモラー特別検察官について、トランプ大統領が解任を検討しているとの報道が流れた。
セッションズ長官はモラー氏については信頼しているとしつつも、トランプ大統領が信任しているかどうかは不明とした。モラー氏解任に向けた措置を講じるかとの質問に対しては「私がそのようなことをするのは不適切にあたるだろう」との見解を示した。
セッションズ長官は、コミー氏の解任前にFBIのロシア疑惑捜査についてトランプ大統領と話し合ったかどうか言及を避けた。また、ロシア疑惑捜査に関与しないと表明した3月の自身の決定を巡り、大統領から懸念を伝えられたかどうかについても回答しなかった。同長官は以前、この決定を巡り大統領とあつれきが生じたことから辞任を申し出た経緯がある。
ロシア疑惑捜査への不関与を決めたのは、自身が捜査の対象になっていると感じたためというよりも司法省の規定に則ったものだと説明した。
さらに、司法省の当局者がロシア疑惑捜査の対象となっている個人への大統領恩赦の可能性を話し合ったかどうかについても証言を拒否した。
証言拒否に民主党議員がいら立つと、セッションズ長官は司法省の方針に従ったものであり、大統領との内密の会話には言及しないと述べた。
無所属のアンガス・キング上院議員が証言拒否の法的根拠を求めると、セッションズ長官は「大統領が証言を承認するかどうか決断する機会がない中で、大統領との内密な会話を私が明らかにすることは不適切だというのが私の判断だ」と述べた。 
*内容を追加しました。

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