米国株、ダウとS&Pが上昇 ナイキに買い

[ニューヨーク 30日 ロイター] - 米株式市場は前日に好決算を発表したスポーツ用品大手ナイキが買われ、ダウとS&Pが上昇して引けた。今週は変動が大きな1週間となったが、半期ベースで見るとS&Pの上昇率は上半期としては2013年以来の大きさとなった。
ナイキは11%高で終了。第4・四半期(3ー5月)は利益と売上高がともに市場予想を上回ったことに加え、米ネット通販大手アマゾン・ドット・コムのサイト上で限定商品を販売する試験プログラムを導入すると発表したしたことが買いを誘った。
S&Pハイテク株指数<.SPLRCT>は0.1%下落。 月間ベースでは今年に入って初めての下落となった。ハイテク株が主なけん引役となり、S&P総合500種は年初から約8%上昇。ただここに来てハイテク株に利益確定の売りを出して資金を他の分野に振り向ける動きが出ている可能性がある。
アラン・B・ランス・アンド・アソシエーツのプレジデント、アラン・ランス氏は買いが幅広い分野に広がるには信頼感が拡大する必要があると指摘。ただホライゾン・インベストメント・サービシズのチャック・カールソン最高経営責任者(CEO)は「この日に上昇した銘柄には一部景気敏感株が含まれていた」とし、経済に対する不信感が存在している時にこうした銘柄が強含めば市場に信頼感が芽生えるきっかけになると見方を示した。
S&P総合500の上半期の上昇率は2013年の上半期(12.6%)以来の大きさ。ナスダックの上半期の上昇は2009年以来の大きさとなった。
市場では近く始まる企業決算発表に注目が集まっている。アビアンス・キャピタル・マネジメントのクリス・バーテルセン最高投資責任者(CIO)は、「経済や地政学リスクなどに目を向けることもできるが、企業業績が相場を動かす大きな要因となる」としている。
騰落銘柄比率はニューヨーク証券取引所が1.60対1、ナスダックが1.01対1でいずれも上げが優勢。
米取引所の合計出来高は約66億株と直近20営業日平均の73億株を下回った。

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