今週はドルしっかり、米株価・金利次第で112円トライ

今週はドルしっかり、米株価・金利次第で112円トライ
 6月19日、今週の外為市場でドル/円はしっかり推移しそうだ。先週の米FOMCで年内あと1回の利上げ予想が維持されたことや、米FRB議長がバランスシート縮小開始を示唆したことなどが支えになるとみられる。写真はドル紙幣と1万円札、2013年都内で撮影(2017年 ロイター/Shohei Miyano)
[東京 19日 ロイター] - 今週の外為市場でドル/円はしっかり推移しそうだ。先週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で年内あと1回の利上げ予想が維持されたことや、米連邦準備理事会(FRB)議長がバランスシート縮小開始を示唆したことなどが支えになるとみられる。
ただ、「ロシアゲート」疑惑や原油価格・ハイテク株の下落など懸念材料もあり、上値追いにも慎重さがみられそうだという。
予想レンジはドル/円が109.50―112.50円、ユーロ/ドルが1.1050―1.1250ドル。
14日まで開催されたFOMCは、市場の予想通り利上げを決定。経済見通しは一部下方修正された以外おおむね変化なく、ドット・チャートも年内もう1回の利上げを示唆した。市場では、予想以上にタカ派的だったとの受け止めが広がっている。
現在、重要イベントを通過したことで過度な円高警戒は緩んでいるといい、「米経済指標の内容が良かったり、米長期金利の持ち直しがあったりすればドルは112円台に乗せてくる可能性がある」(外為アナリスト)という。
一方、米経済指標がさえなかったり米国株が崩れたりすれば、利益確定や調整のドル売りが出て109円台への下落もあり得る。ただ、下がったところでは国内勢のドル買い意欲も根強いとされ、今週は「110─111円台のステージが長くなりそう」(同)との見方も出ていた。
主な経済指標・イベントとしては、19日に日本の5月貿易統計、ダドリーNY連銀総裁講演、20日に米1─3月期経常収支、フィッシャーFRB副議長講演、21日に日銀金融政策決定会合議事要旨(4月26─27日開催分)、米5月中古住宅販売件数、22日に米5月CB景気先行総合指数、23日に米5月新築住宅販売件数などがある。
<英国のEU離脱交渉に不透明感>
22─23日に欧州連合(EU)首脳会議が行われる。英政府はEU基本条約(リスボン条約)50条に基づく離脱交渉を予定通り19日に開始するとしており、同交渉問題がテーマになるとみられている。
ただ、8日に投開票された英総選挙では与党・保守党は過半数を獲得できず、政権維持のため北アイルランドの地域政党、民主統一党(DUP)と閣外協力の協議を行っている。メイ首相の党内求心力は弱まっているとされ「EU離脱交渉の基本的な方向性などを巡り、不透明感が強まってきた」(国内証券)との指摘がある。

為替マーケットチーム

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