欧州市場サマリー(26日)

[26日 ロイター] - <為替> ドルがユーロに対しおよそ1週間ぶりの安値。弱い指標を受けて、米連邦準備理事会(FRB)が計画通り追加利上げに踏み切れるか懐疑的な見方が強まった。ただ、中銀当局者らの講演を控え、値動きは限られた。
5月の米耐久財受注統計によると、民間設備投資の先行指標とされるコア資本財(非国防資本財から航空機を除く)の受注は前月比0.2%減少。0.3%増の市場予想に反し、昨年12月以来の大幅なマイナスを記録した。
<ロンドン株式市場> 5営業日ぶりに反発して取引を終えた。金融株が買われ全体水準を押し上げた。
金融株はFT100種を11.5ポイント押し上げ、部門別で最も貢献した。金融大手HSBCとバークレーズはともに1.2%上昇した。経営難に陥っているイタリアの地銀2行について清算取引が決まったことを背景に銀行株に買い注文が入った。
取引時間の早い段階では原油価格の上昇に伴い石油大手のBPとロイヤル・ダッチ・シェルが相場を押し上げたが、原油の値段が安定するとともに株価も上昇幅を圧縮した。
<欧州株式市場> 反発して取引を終えた。経営難に陥ったイタリアの地銀2行について清算が決まったことで、銀行株が買われたほか、スイスの食品大手ネスレが過去最高値をつけた。
イタリア政府は25日、ベネト・バンカとバンカ・ポポラーレ・ディ・ビチェンツァの清算手続きを開始した。最大で170億ユーロの財政負担につながる可能性があるが、長期にわたる危機的状況に終止符を打ち、両行の優良資産はイタリアの銀行国内最大手インテーザ・サンパオロが取得することとなる。
インテーザは3.5%高となった。STOXXユーロ圏銀行株指数は1.10%上昇した。
さらに市場心理を好転させる要因として、ドイツのIFO経済研究所が発表した6月の業況指数が過去最高となった。企業トップがドイツの成長見通しにより前向きな見方をしていることを示唆した。ドイツのクセトラDAX指数は0.29%上昇。
ネスレは4.3%値を上げた。アクティビスト(物言う株主)ダニエル・ローブ氏率いるヘッジファンド、サード・ポイントがネスレ株1.3%の保有を公表した上で、ネスレに利益率改善や自社株買い、フランスの化粧品大手ロレアルの保有株売却を促したことが好感された。
<ユーロ圏債券> イタリア国債利回りが低下した。欧州委員会が経営難のイタリア地銀2行について、同国政府が提示した破綻処理案を承認したことが追い風となった。
イタリア10年債利回りは一時4ベーシスポイント(bp)低下の1.87%。その後は1.90%まで戻した。
INGのストラテジスト、マータン・ファン・ブリエ氏は「他の銀行も支援を必要とするリスクはあるが、銀行セクターの問題に対して解決策が存在することが一段と明確になった」と話す。
その他のユーロ圏国債の利回りは総じて小動き。
一方、ギリシャ10年債の利回りは2009年以来の水準に低下。格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスによる格上げを好感した。利回りはギリシャ政府が市場復帰を検討するであろう水準に近づいている。

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab