メイ英首相が組閣表明、北アイルランドの「友人」と協力へ

メイ英首相が組閣表明、北アイルランドの「友人」と協力へ
 6月9日、メイ英首相が組閣を表明した。写真はロンドンで同日撮影(2017年 ロイター/Hannah Mckay)
[ロンドン 9日 ロイター] - メイ英首相は9日、組閣を表明し、欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)交渉を成功に導くと述べた。
ただ、総選挙で与党・保守党が過半数割れとなったことで、議会では北アイルランドのプロテスタント系民主統一党(DUP)の「友人」と協力する考えを示した。
メイ氏はこの日、エリザベス女王に組閣の許可を要請。首相官邸前で、「われわれ2党は長年、強力な関係を構築しており、英国全体の利益のため共に取り組むことが可能だと確信している」と述べた。
その上で「ブレグジットの約束を果たし、今後5年で誰も置き去りにされない国をつくる」とした。
DUPは今回の選挙で議席数を10に増やした。北アイルランドの英国残留を強く支持し、社会問題に対しては保守的な姿勢を示す。
メイ首相は「保守党とDUPは長年にわたり力強い関係を築いており、国全体の利益のために協力できると確信している」と述べた。
ただ一部の政治アナリストは、保守党とDUPの連立による少数与党が長期的に持続するか懐疑的な見方を示しており、再選挙もあり得るとしている。
また、欧州連合(EU)離脱交渉開始を19日に控えるなか、議会で過半数議席を失ったことでメイ首相が進める離脱計画に対し党内外から向かい風が強まる可能性がある。
EU指導部からも保守党が過半数議席を失ったことで離脱交渉が頓挫する恐れもあるとの懸念が出ており、EUのトゥスク大統領は「交渉ができないことにより合意もできなくなる事態を防ぐよう最大限の努力を望む」とツイート。欧州委員会のエッティンガー委員(財政担当)は独テレビに対し、「交渉相手がぜい弱になれば、協議は双方にとり不本意なものになる恐れがある」と述べた。
*内容を追加して再送します。

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