独首相、米大統領の貿易黒字批判に反論 情報共有へ合同作業部会

[タオルミナ(イタリア) 26日 ロイター] - ドイツのメルケル首相は26日、トランプ米大統領が欧州連合(EU)高官との会談でドイツの貿易黒字を批判したとの報道を受け、大統領に反論したと記者団に明らかにした。
両首脳は、イタリア南部のシチリア島タオルミナで行われた主要7カ国(G7)首脳会議に出席していた。
メルケル首相はこの場でトランプ大統領に対し、貿易黒字の原因にドイツ政府が管理できない要因が含まれることを説明。米国へのドイツの直接投資でどれほどの雇用が創出されているかについても強調した。
両首脳はまた、二国間の経済関係に関する情報を交換する合同作業部会の設置で合意した。ドイツ当局者によると、両国の経済関係の不完全な理解に基づき米政府が制裁措置を導入するのを防ぐの狙いがある。
独メディアは26日、トランプ大統領が欧州委員会のユンケル委員長、トゥスクEU大統領と25日に私的な会合を開いた際、ドイツの通商政策を強烈に批判したと報道。トランプ氏は米国で大量のドイツ車が販売されているとし、販売を制限する考えを示したと伝えた。
米国家経済会議(NEC)のコーン委員長は26日、 トランプ大統領がEU高官と会談した際、ドイツの通商政策について「非常に悪い」と発言したことを認めつつも、ドイツとの間に問題があるわけではないと釈明。
これに先立ち、ユンケル委員長は報道は「大げさだ」とし、トランプ大統領がドイツの貿易黒字に攻撃的な姿勢を取ったとの報道は「事実ではない」と語った。
ドイツの貿易黒字は欧州内でも論争の種となっており、他の欧州政府はドイツ政府に対し、内需拡大にいっそう取り組むよう求めている。
米政府のデータによると、2016年のドイツの対米貿易黒字は649億ドルだった。
ドイツの3大自動車メーカーであるBMW、ダイムラー、フォルクスワーゲン(VW)は、米国内の工場やディーラーで合わせて数万人を雇用している。

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