ファナック、FA堅調で今期営業益1.5%増予想 対ドル100円想定

ファナック、今期営業益は1.5%増予想 想定レートは対ドル100円
 4月27日、ファナックが発表した2018年3月期の連結業績予想は、営業利益が前年比1.5%増の1555億円の見通しとなった。写真の同社ロゴは昨年11月、都内国際工作機械フェアーで撮影(2017年 ロイター/Toru Hanai)
[東京 27日 ロイター] - ファナック<6954.T>が27日発表した2018年3月期の連結業績予想は、営業利益が前年比1.5%増の1555億円の見通しとなった。売上高は同6.1%増の5698億円を予想する。FA(工場の自動化)やロボット、ロボマシンなど主要部門の需要が堅調に推移する見通し。想定為替レートは対ドルで100円、対ユーロで110円に設定した。
トムソン・ロイターが集計したアナリスト26人の営業利益予測の平均値は1804億円。会社側の計画はこれを下回っている。
18年3月期は増収・営業増益を予想する一方、前期に発生した円安による為替差益効果が今期は見込めないとし、経常利益予想は前年比4.9%減の1605億円、純利益予想は同8.5%減の1169億円と、それぞれ減益を見込む。
17年3月期の連結売上高は前年比13.9%減の5369億円。連結営業利益は同28.9%減の1532億円となり、減収減益となった。ロボドリル(小型切削加工機)の売上が前年の一時的な需要増の反動で落ち込んだことなどが響いた。
ただ今年1月時点の予想値に対しては、売上高・利益はいずれも上振れて着地。FA、ロボット、ロボマシンの各部門が中国・アジア向けを中心に予想よりも好調に推移した。17年3月期の受注高は前年比4%減の5607億円だった。
<国内新工場でロボット需要増に対応>
ファナックは昨年6月、茨城県で新工場の建設用地を取得すると公表していたが、今回、その概要を発表した。取得した用地内に自動車・一般産業向けのロボット工場と機械加工工場を建設。延床面積は合計で約16万6000平方メートルで、18年5月に完成させる予定。同年8月に生産を一部開始する。
ロボットの当初の生産能力は月2000台。第一期までの投資額は約630億円を見込む。最終的には月4000台まで生産能力を拡充する予定で、旺盛なロボット需要に対応する。
*内容を追加しました。

長田善行

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