A・グランデの英コンサート会場で自爆、実行犯死亡 死者22人

[マンチェスター 23日 ロイター] - 米歌手アリアナ・グランデさんがコンサートを行っていた英マンチェスターの会場で22日に発生した爆発は、男1人の自爆攻撃によるもので、子ども数人を含む22人が死亡、59人が負傷した。英警察当局が23日発表した。
自爆犯は会場で午後10時33分(日本時間23日午前6時33分)過ぎに爆弾を爆発させた後に死亡したという。
地元の警察当局者は23日、「現時点で昨夜の攻撃は1人の男の犯行とみられる」と語った。「単独犯なのか、組織的な犯行なのかの断定を急いでいる」
さらに、「実行犯は、現場のアリーナで死亡した。自作の爆発物を持ちこみ、爆発させたとみている」と述べた。
メイ英首相は、「テロ攻撃」として捜査していると語った。そうであれば、2005年7月に英国イスラム教徒4人がロンドンで地下鉄やバスを爆破し、52人が死亡した事件以来の、同国における最悪の武力攻撃となる。
首相は声明で「警察は恐ろしいテロ攻撃として捜査しており、事実関係を詳細に調べている。影響を受けた被害者やその家族にお見舞い申し上げる」と述べた。
事件を受け、メイ首相と野党労働党のジェレミー・コービン党首は、6月8日の総選挙に向けた選挙運動を中止することで合意した。
今のところ犯行声明は出ていないが、米当局者2人はロイターに対し、爆発を起こしたのは自爆犯である可能性があると指摘していた。
「会場の選択や、タイミング、また攻撃方法を総合すると、これはテロだということを示している」と米国の対テロ当局者は、匿名を条件に語った。
また、英警察によるとロンドン市内のバスターミナル、ビクトリア・コーチ・ステーションと周辺の道路を警察当局が23日、一時閉鎖された。警察が不審な荷物を調べていたという。
<悲鳴を上げて走る人々>
コンサートが行われたマンチェスター・アリーナは、欧州最大の屋内アリーナで、2万1000人収容可能。会場には子供も多くいたという。
目撃者がロイターに語ったところによると、コンサート後に会場を出ようとしていたところ、大きな爆発音が聞こえた。会場にいた人々は、悲鳴を上げて外に避難しようと走ったという。
ツイッターに投稿された動画には、コンサート会場内の人が悲鳴を上げて走っている様子が映っている。
「私たちは、会場から外に出ようとしていた。ちょうどドアの所に来たときに、大きな爆発があって、みんな悲鳴を上げていた」と、会場にいたキャサリン・マクファーレンさんはロイターに語った。「とても大きな爆発で、胸に響いた。現場は混乱状態で、みな叫びながら走って、外に出ようとしていた」という。
グランデさん(23)は、爆発後5時間ほどしてツイッターを更新し、「心が痛む。心の奥底から、とても残念に思う。言葉もでない」とコメントした。
マンチェスター近郊に住むポーラ・ロビンソンさん(48)は、コンサート会場の隣にある駅にいた時に、大きな爆発音が聞こえ、10代の少女たちが悲鳴を上げて会場から逃げ出すのを目撃したという。
「本当に爆発の直後だった。私たちは駆け寄って、少女たちを連れて一緒に逃げた」と、ロビンソンさんはロイターに語った。
ロビンソンさんは、十数人の少女たちを連れて近くのホテルに移動し、少女たちの保護者に向けて、自分の電話番号などをツイートした。 その後、心配した保護者たちからの電話が鳴りやまない状態だという。「親たちは狂ったように駆け回って子供を探している」と、ロビンソンさんは話した。
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