東芝、半導体売却でWDの抗議に反論 「妨害」中止求める

東芝、半導体売却でWDの抗議に反論 「妨害」中止求める 
 5月9日、東芝によるメモリー事業の売却をめぐり合弁パートナーである米ウエスタンデジタル(WD)が「合弁契約の重大な違反」と抗議している問題について、東芝側が契約を誤解した「妨害」行為であるとして、即時中止を求める反論文書を送付していたことが明らかになった。写真は中古の東芝製メモリーチップ。都内電機製品店で2010年11月撮影(2017年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
[東京 9日 ロイター] - 東芝<6502.T>によるメモリー事業の売却について合弁パートナーである米ウエスタンデジタル(WD)が「合弁契約の重大な違反」と抗議している問題で、東芝側がWDの抗議は契約を誤解した「妨害」行為であるとして、即時中止を求める反論文書を送付していたことが明らかになった。
WDは4月初め、東芝に対し、スティーブン・D・ミリガンCEO名で同事業の第三者への売却は「合弁契約の極めて重大な違反であり、(WDの)契約上要求される同意権を無視」しているとの抗議文書を送った。
関係者によると、東芝は今月3日付でWD側に書簡を送り、同社の抗議は合弁契約を誤って解釈していると指摘。かつて東芝と同事業を行っていたサンディスクをWDが買収した際、東芝側に同意を求める経緯がなかったことを引き合いに出し、同意権に言及するWDの主張の正当性を否定した。
さらに東芝側は同日付の別の書簡で、合弁契約をめぐるWDの対応がメモリー事業の執行に問題を引き起こしていると批判。WDが5月15日までに合弁契約を正しく実行する姿勢を明確にしなければ、同メモリー事業の施設などへのWD社員のアクセスを停止する措置を取ると警告している。
*内容を追加します。

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