ツイッター、第4四半期は初の黒字・1年ぶり増収 株価終値は12%高

ツイッター、第4四半期は初の黒字・1年ぶりの増収 株価2年半ぶり高値
2月8日、米ツイッターの第4・四半期決算は、上場以来初の黒字となったほか、売上高も1年ぶりにプラスに転じた。写真は2015年4月、サンフランシスコの本社前で撮影(2018年 ロイター/Robert Galbraith)
[8日 ロイター] - 米短文投稿サイトのツイッターの第4・四半期決算は、上場以来初の黒字となったほか、売上高も1年ぶりにプラスに転じた。ターゲットを絞り込んだ広告戦略が奏功したほか、米国外での増収が業績押し上げに寄与した。
ツイッターの株価は一時2015年7月以来の高値となる35.00ドルを付けた。終値は12.1%高の30.18ドル。同社は06年創業、13年に上場した。
純利益は9110万ドル(1株当たり0.12ドル)で、前年同期の1億6710万ドル(同0.23ドル)の赤字から黒字に転じた。
調整後の1株利益は0.19ドルで、トムソン・ロイター・エスティメーツのまとめたアナリスト予想の0.14ドルを上回った。
総売上高は前年同期比2%増の7億3160万ドルで、市場予想の6億8610万ドルを上回った。増収となるのは2016年第4・四半期以来初めて。的を絞った広告戦略に加え、動画広告の売り上げ増が寄与した。
米国内の売上高は8%減となったものの、国外では17%増となった。とりわけ日本での売上高は1億0600万ドルと34%の増収となり、堅調が目立った。中国の輸出業者が国外で積極的に広告活動を展開したという。
広告収入は6億4400万ドルと1%の伸びにとどまったものの、データライセンシング関連は8700万ドルと10%の増収となった。
2018年については、一般会計原則(GAAP)に基づく通年の損益が黒字になるとの見通しを示した。
月間アクティブユーザー数(MAU)は平均3億3000万人。伸びは前年同期比で4%増、前四半期比では横ばいだった。季節的要因のほか、スパムや偽アカウントの削除がMAUの伸び悩みにつながった。ファクトセットのまとめたアナリスト予想は3億3250万人。
ツイッターが売上高の大半を稼ぎ出す米国のMAUは6800万人と、前四半期の6900万人から減少した。
1日当たりのアクティブユーザー数は12%増加。ユーザーを呼び込むために1投稿当たりの文字数を倍増するなどした。
ドーシー最高経営責任者(CEO)はアナリスト向け電話会見で、ツイッターを離れるアンソニー・ノト最高執行責任者(COO)の後任を探す計画はないと述べた。ノト氏はオンライン融資サービスのソーシャル・ファイナンスに移籍する。
フォレスター・リサーチのアナリスト、エルナ・アルフレッド・リオウサス氏は「広告主はサイトに訪問者を呼び込みたいと思っているため、ツイッターが1日当たりのアクティブユーザー数を最大化しようとしていることは投資利益率 (ROI)の向上につながる」と述べた。
モネス・クレスピ・ハルトのジェームズ・カクマック氏は顧客向けノートで、ツイッターはさらに新規ユーザーを引き付ける必要があると指摘。利益予想を考慮すれば現在の株価には「大幅なプレミアム」が付いているとした。
ツイッターを巡っては8日、四半期決算が黒字と増収となったことで、一部のアナリストの間では大手企業が同社の買収に乗り出すのではないかとの憶測が再び浮上。16年には米娯楽大手ウォルト・ディズニーが関心を示したことがある。
*内容を追加しました

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