国連の対北朝鮮制裁、「銅像」輸出も対象に

国連の対北朝鮮制裁、「銅像」輸出も対象に
 12月1日、国連安全保障理事会が30日採択した北朝鮮に対する制裁決議案のなかに、石炭、天然資源などともに、「銅像」の輸出禁止が盛り込まれていたことが分かった。写真は昨年10月平壌で撮影(2016年 ロイター/Damir Sagolj)
[ソウル 1日 ロイター] - 国連安全保障理事会が30日採択した北朝鮮に対する制裁決議案のなかに、石炭、天然資源などともに、「銅像」の輸出禁止が盛り込まれていたことが分かった。今回の新たな制裁は、北朝鮮の輸出収入を年間25%削減することを目指している。
ある推定によれば、銅像の輸出による収入は年間1000万ドル(約11.4億円)程度だが、社会主義的なモチーフを持つ北朝鮮製の銅像は一部アフリカ諸国などから高い評価を得ている。
1970年代以来、北朝鮮はアフリカの18カ国前後で記念碑や銅像を建造。2000年以降、ナミビア、コンゴ、ボツワナ、セネガルなどで1億6000万ドル以上の収入を得ていると推定されるという。
例えば1984年にアディスアベバに寄贈された「Tiglachin」(闘争)の記念碑は、エチオピアとキューバの兵士に向けたもので、赤い星で装飾されたオベリスクの前で3人の兵士がカラシニコフ銃を掲げる様子が表現されている。
旧ソ連や中国の支援を得て経済が潤っていた時代、銅像は寄贈されるなどしていたが、1991年のソ連崩壊とその後の大飢きんを受け、北朝鮮は銅像製造をビジネスに位置付けた。
2010年には、セネガルのダカール近郊に、アフリカで最も高い49メートルの高さを持つ「アフリカ・ルネサンスの像」が完成している。ある推定では、総工費は2700万ドルだったとされている。

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