仏DCNS、印海軍向け潜水艦の情報流出 豪潜水艦開発に懸念

仏DCNS、印海軍向け潜水艦の情報流出 豪潜水艦開発に懸念
 8月24日、豪政府と次期潜水艦の共同開発契約を結んだ仏政府系造船企業DCNSグループからインド海軍の潜水艦に関する機密情報などが大量に流出したことが分かり、豪潜水艦開発プロジェクトに安全保障上の懸念が生じている。写真は海上自衛隊の潜水艦。2014年9月撮影(2016年 ロイター/Japan Maritime Self-Defense Force)
[シドニー 24日 ロイター] - 豪政府と次期潜水艦の共同開発契約を結んだ仏政府系造船企業DCNSグループからインド海軍の潜水艦に関する機密情報などが大量に流出したことが分かり、豪潜水艦開発プロジェクトに安全保障上の懸念が生じている。
DCNSは今年、日本の防衛省・三菱重工業<7011.T>・川崎重工業<7012.T>で作る官民連合と、独ティッセンクルップも参加した豪次期潜水艦をめぐる入札で受注先に選ばれた。
DCNSからの情報流出を最初に報じた24日付の豪オーストラリアン紙によると、情報は2011年にフランスから流出。
流出した情報には、DCNSがインド海軍向けに設計した潜水艦6隻の戦闘能力に関する完全機密事項を記した2万2000ページを超える文書も含まれる。
DCNSが豪海軍向けに設計中の潜水艦に関する詳細は流出していない。
DCNSの広報担当は「インド海軍の潜水艦プログラムに関する深刻な問題を受け、フランスの国家安全保障当局が正式な調査を行い、流出文書の特定する」と表明。「豪潜水艦プログラムは豪政府との機密情報保護契約に基づいて進められており、今回の情報流出と関係はない」とした。
在豪フランス大使館の報道官はコメントを拒否。在豪インド大使館からのコメントも得られていない。
ターンブル豪首相は、次期潜水艦が建造されるオーストラリア国内では高い安全保障基準が適用されていると強調し、情報流出をめぐる懸念の解消に努めた。

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab