ナスダック続伸、経済対策が焦点

ナスダック続伸、経済対策が焦点
 2月9日、米国株式市場はナスダック総合が続伸し、最高値で取引を終えた。ニューヨークで1日撮影(2021年 ロイター/Brendan McDermid)
[9日 ロイター] - 米国株式市場はナスダック総合が続伸し、最高値で取引を終えた。ただ、バイデン米大統領が提案している1兆9000億ドル規模の経済対策の恩恵を受けるとみられるセクターに大型ハイテク株から資金がシフトする中、ダウ工業株30種とS&P総合500種は小幅に下落した。
アップル、アマゾン・ドット・コム、グーグル親会社のアルファベットが一時上昇し、ハイテク株の多いナスダックは日中最高値も更新した。
フェイスブック、アマゾン、ネットフリックス、グーグルを意味する「FANG」に電気自動車大手テスラを加えたFANG+TM指数も過去最高値に上昇した。
ウェドブッシュ・セキュリティーズの株式トレーディング部門マネジングディレクター、マイケル・ジェームズ氏は、米国内の新型コロナウイルス新規感染者が減少しつつある中、経済対策が議会で承認されるとの期待が広がっており、投資家はマイナス材料を見つけるが難しい状況だと指摘。
「資金は市場から引き揚げられているのではなく、あるセクターから別のセクターにシフトし、全般的にロングのバイアスが維持されている」と語った。
企業決算がおおむね好調となっているほか、金融・財政刺激策が市場を支援しており、主要株価指数はこのところ最高値を付けている。ダウとS&Pは前日まで6営業日続伸していた。
ただ、アナリストは新型コロナの変異株を巡る懸念のほか、ワクチン配布に支障が出た場合には市場の地合いが悪化する可能性があるとみている。
このところの上昇を主導していたエネルギーセクターはこの日1.5%下落。通信サービスセクターは0.2%上昇した。
引け後に決算発表を控え、玩具大手マテルは2.1%高、ネットワーク機器大手シスコシステムズは0.9%安となった。
リフィニティブによると、S&P総合500種採用企業の第4・四半期決算は約2.5%の増益が見込まれている。年初時点の10.3%減益予想から見通しが大幅に改善している。
香水・化粧品のコティは15%下落。化粧品需要の低迷を背景に四半期の売上高が大幅に減少した。
ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を1.54対1の比率で上回った。ナスダックでは1.45対1で値上がり銘柄数が多かった。

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