米動物園、囲い侵入の男児救助のためゴリラを射殺 是非問う声も

米動物園、囲い侵入の男児救助のためゴリラを射殺 是非問う声も
 5月29日、米オハイオ州のシンシナティ動物園で、ゴリラ(写真)の囲いに転落した4歳の男児を救助するためゴリラが射殺されたことの是非について、議論が巻き起こっている。提供写真(Jeff McCurry/Cincinnati Zoo/Handout via Reuters)
[29日 ロイター] - 米オハイオ州のシンシナティ動物園で、ゴリラの囲いに転落した4歳の男児を救助するためゴリラが射殺されたことの是非について、議論が巻き起こっている。
射殺されたのは、同園で繁殖のため飼育されていた絶滅危惧種のニシローランドゴリラ「Harambe(ハランベ)」で、17歳、体重は181キログラム。囲いに入った男児を引きずり回すなどしたため、10分後に処分された。園長は、鎮静剤は効果が出るまでに時間がかかるため苦渋の決断をしたと説明した。
目撃者が地元テレビ局に話したところでは、男児は何度も囲いの中に入りたがるそぶりを見せていた。男児はフェンスをよじ登った後、3.7メートル下の堀に落ち、ハランベに捕まったという。
男児は病院に搬送されたが、命に別状はない。男児とその両親の身元は明らかになっておらず、退院したかどうかもプライバシー保護のため明かされていない。
動物愛護団体「動物の倫理的扱いを求める人々の会(PETA)」のブログでは射殺の必要性に対する疑問が提示され、「ニシローランドゴリラは温和な性格で、挑発されない限り攻撃的になることはない」との見方が示された。署名サイトの「Change.org」では、男児の両親に対し「子供の監督を怠ったことの責任を取らせる」よう求める運動が始まっている。

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