伊地方選決選投票、ローマ市長選は五つ星運動が勝利 首相に痛手

伊地方選決選投票、ローマ市長選は五つ星運動が勝利 首相に痛手
 6月19日、イタリア地方選の決選投票が行われ、首都ローマと北部トリノでは既成政党に異議を唱える「五つ星運動」の候補が中道左派の与党民主党(PD)の候補を抑えて勝利した。写真はローマ市で初めての女性市長への就任が決まったビルジニア・ラッジ候補。20日撮影(2016年 ロイター/Remo Casilli)
[ローマ 20日 ロイター] - イタリアで19日、地方選の決選投票が行われ、首都ローマと北部トリノでは既成政党に異議を唱える「五つ星運動」の候補が中道左派の与党民主党(PD)の候補を抑えて勝利した。
レンツィ首相は、地方選の結果ではなく、10月に実施する予定の改革実行に向けた憲法改正を問う国民投票に進退を賭けると表明している。しかしローマとトリノでの敗北を受け、国民投票に向けた支持獲得に苦戦する可能性が出てきた。
ローマでは、五つ星運動のビルジニア・ラッジ候補が67%の票を獲得。同市で初めての女性市長が誕生することになった。
トリノでも五つ星運動のキアラ・アペンディーノ候補が勝利。5日の第1回投票では民主党の現職ピエロ・ファッシーノ氏が11ポイント差でアペンディーノ氏を引き離していたが、決選投票ではアペンディーノ氏が得票率55%で勝利した。
ローマでは市政に対する批判が高まっていたことから五つ星運動の勝利は予想されていたが、中道左派の地盤とされていたトリノでの敗北は民主党にとって大きな打撃となる。
一方、北部ミラノとボローニャでは、民主党の候補が中道右派の候補者に勝利した。
19日は、第1回投票で得票率が過半数を超える候補者がいなかった126の自治体で決選投票が行われた。決選投票の投票率は50.5%と、第1回投票の約60%を下回った。
五つ星運動は7年前にコメディアンのベッペ・グリッロ氏が創設。これまでは一部の中規模都市でのみ政権を確保していたが、ローマとトリノでの勝利を受け、2018年の国政選挙に向けて弾みをつける可能性もある。

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab