ロシアのトルコ向け穀物輸出、関係冷え込みの中でも再開=関係筋

[モスクワ 24日 ロイター] - ロシアからトルコへの穀物輸出は、ロシア軍機の撃墜を受けた両国関係の悪化で一時中断したが、このところ再開している。取引業者やアナリストらが語った。
ロシアは世界有数の穀物輸出国で、トルコはロシア産穀物の大口買い付け国。しかし、先月下旬に両国の国境地帯でトルコがロシア軍機を撃墜して以来、関係が冷え込んでいる。
ロシアとトルコの穀物取引業者は事件から数週間、ロシア政府がトルコ向け輸出を差し止めたり、トルコ政府が買い付け規制に動いたりする可能性を不安視し、新規契約の締結を控えていた。ただ、そのような措置は発動されず、穀物取引は通常に戻っている。
農業調査会社ソブエコンの幹部アンドレイ・シゾフ氏は、「トルコ市場への供給が中断される恐れは、先月下旬から今月初旬にかけてあったが、現実のものとはなっていない」と語った。
モスクワを拠点とする穀物取引業者は、トルコとの取引について「何も問題はない。(トルコ側は)われわれから買い付けている」と述べた。別のロシアの取引業者も、トルコへの穀物輸出が既に再開したと語った上で、ロシア政府による非公式な取引規制はこれまでのところ実施されていないと明言した。
また、ロシアでトルコの穀物買い付けを助言しているコンサルタントは匿名を条件に、トルコの取引業者がロシアの供給当事者と新たな取引契約を締結していることを明らかにした。
ロシアの穀物輸出監督機関である連邦動植物検疫局のコメントは、24日時点で得られていない。同局は今月初め、トルコ向け供給は通常通り継続していると述べていた。
これまでのところロシアは、軍機撃墜を受けてトルコ産農産物の禁輸措置や渡航制限などの措置を打ち出し、トルコ政府との主要インフラ開発プロジェクトを中断する可能性も示唆している。

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