カンヌ最高賞はローチ監督作品、「ある視点」は日本の2作品受賞

カンヌ最高賞はローチ監督作品、「ある視点」は日本の2作品受賞
5月22日、仏カンヌ国際映画祭の授賞式が行われ、コンペティション部門の最高賞「パルムドール」に英国のケン・ローチ監督(写真)が「I, Daniel Blake」で2度目の受賞を果たした(2016年 ロイター/YVES HERMAN)
[カンヌ(フランス) 22日 ロイター] - 第69回仏カンヌ国際映画祭の授賞式が22日に行われ、コンペティション部門の最高賞「パルムドール」に英国のケン・ローチ監督の「I, Daniel Blake(原題)」が選ばれた。同監督の受賞は2度目。
21日発表された「ある視点」部門では、日本の深田晃司監督(36)の「淵に立つ」が審査員賞を受賞した。また、スタジオジブリが製作に参加した長編アニメ「レッドタートル ある島の物語」(マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット監督)に特別賞が贈られた。
79歳となるローチ監督の受賞作品は、英国の労働者階級が直面する社会問題に切り込んだ作品。監督は受賞後の会見で、作品の動機となった人々の貧しい暮らしぶりを考えると、このような華やかな場での受賞は非常に不思議な感じがするとした上で、「絶望に陥った時、極右にとって絶好の機会となる。しかし我々は、それとは別の世界があり得るし必要だと言うべきだ」と語った。
コンペ部門2位の審査員特別大賞(グランプリ)にはカナダのグザビエ・ドラン監督の「It's Only The End Of The World(原題)」が、審査員賞には英国のアンドレア・アーノルド監督の作品「American Honey(同)」が選ばれた。
監督賞はルーマニアのクリスティアン・ムンジウ監督「Bacalaureat(同)」と、フランスのオリビエ・アサイヤス監督「Personal Shopper(同)」が受賞した。
このほか、女優賞にはフィリピンのジャクリン・ホセが「Ma' Rosa(同)」で、男優賞はイランのシャハブ・ホセイニが「The Salesman(英題)」で選ばれた。
予想外の結果だったのはドイツの女性監督マーレン・アーデのコメディ「Toni Erdmann(原題)」で、批評家や一般聴衆からの評価が非常に高かったにもかかわらず何も受賞しなかった。
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