東芝メディカル売却、約10社が1次入札参加 4000億円程度=関係筋

東芝メディカル売却、約10社が1次入札参加 4000億円程度=関係筋
 1月27日、東芝が売却手続きを進める医療機器会社、東芝メディカルシステムズの1次入札が今月29日に締め切られ、コールバーグ・クラビズ・ロバーツ(KKR)などのプライベートエクイティ(PE)ファンドのほか、富士フイルムホールディングスなどの事業会社も含め10社程度が参加する見通しであることがわかった。写真は東芝本社。2015年11月撮影(2016年 ロイター/Yuya Shino)
[東京 27日 ロイター] - 東芝<6502.T>が売却手続きを進める医療機器会社、東芝メディカルシステムズ(栃木県大田原市)の1次入札が今月29日に締め切られ、コールバーグ・クラビズ・ロバーツ(KKR)などのプライベートエクイティ(PE)ファンドのほか、富士フイルムホールディングス<4901.T>などの事業会社も含め10社程度が参加する見通しであることがわかった。
複数の関係筋が明らかにした。
最終的な買収金額は4000億円程度と想定されている。
関係筋によると、PEファンドで1次入札に参加するのは、KKR、カーライル、ベイン・キャピタル、ペルミラ。このほか、富士フイルム、コニカミノルタ <4902.T>、ソニー<6758.T>など事業会社も1次入札に参加するとみられ、複数の関係筋によると、コニカミノルタはペルミラと組み、KKRは三井物産<8031.T>と組んでいるもよう。
キヤノン<7751.T>の田中稔三副社長は同日の決算会見で「当社も創業以来、医療機器事業はずっと続けており、入札には一応手を挙げている」と述べ、入札に参加する意向を明らかにした。
金額は明らかではないが、複数の金融筋によると、各社は4000億円程度を提示するとみられる。5000億円を超える数字も一部で指摘されているものの、「そうなると期待リターンとの兼ね合いからファンドは出しにくい」との声もある。
東芝メディカルは東芝のヘルスケア事業の中核。会計不祥事を起こす前は売却の対象になっていなかったが、自己資本を確保する目的などのため、過半数以上を売却する方針となった。
事業会社の中にはいったん入札に参画しないと必要な内部資料を目にする機会を逃すため、「とりあえず参戦するところもある」(関係筋)。
また、日本政策投資銀行も入札に参加する予定で、最終的に残った買い手候補と組む可能性があるという。
医療機器の世界的な競合メーカーである米ゼネラル・エレクトリック(GE)や独シーメンスは入札に参加しないもよう。

江本恵美、 取材協力:藤田淳子、浦中大我、山崎牧子、志田義寧、浜田健太郎

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