2016年の世界経済成長率見通し、2.9%に下方修正=世銀

2016年の世界経済成長率見通し、2.9%に下方修正=世銀
1月6日、世界銀行が2016年の世界経済の成長率見通しを引き下げ。主要新興国の成長鈍化と米国など先進国の低成長で世界全体の経済活動が弱まるとの見方を示した。大連で昨年12月撮影(2016年 ロイター/CHINA DAILY)
[6日 ロイター] - 世界銀行は6日公表した経済見通しで、2016年の世界経済の成長率見通しを引き下げた。主要新興国の成長鈍化と米国など先進国の低成長によって世界全体の経済活動が弱まるとの見方を示した。
2016年の世界経済の成長率は2.9%となり、15年の2.4%から加速すると予想。ただ、新興国の景気低迷を懸念に挙げ、昨年6月時点の3.3%からは予想を下方修正した。
世銀は「ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカを合わせた経済圏『BRICS』の規模が新興国市場で最も大きいことから、このうち4カ国で同時に進んでいる景気減速が世界の他の地域に著しい波及効果をもたらす可能性がある」と指摘した。
ロシアの16年の成長率はマイナス0.7%になる見通しとし、6月時点の予想であるプラス0.7%から下方修正した。15年の成長率はマイナス3.8%と予想した。
ブラジルの16年成長率は従来予想のプラス1.1%からマイナス2.5%に引き下げた。15年はマイナス3.7%の見通し。
中国の成長率見通しは16年が6.7%、15年が6.9%。16年の成長率は6月時点では7.0%と予想されていた。
南アフリカについては、16年の成長率予想を6月時点の2.1%から1.4%に修正した。15年は1.3%の見通し。
インドの成長率は15年見通しの7.3%から16年に7.8%に加速すると予想。BRICSの中で唯一大きな改善が見込まれている。ただ、16年の予想は6月時点から0.1%ポイントの引き下げとなった。
世銀は米国や他の先進国の成長率見通しも下方修正した。
16年の米経済成長率見通しは2.7%とし、6月時点の2.8%から引き下げた。ただ15年の2.5%からは依然加速する見通し。
ユーロ圏の16年成長率見通しは1.7%で、従来予想の1.8%から引き下げた。15年の1.5%からは小幅な加速となる。
*内容を追加しました。

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